世の中には、霊能力あるいはそれに準じた不思議な能力をもった方がおられるようです。こういった能力を信じるのか信じないのか、そこはヒトそれぞれでしょう。私はどう思っているか?
正直、どうでもいいです。
だって自分にはそんな能力はないから。自分で認識できないものは、評価が難しい。ただ、自分にそのような能力があれば、それは嬉しい。だって、パッと患者さんを見て、“がん”の病態全体が把握できる特殊能力があれば、CTもMRIもPET も画像診断機器はいっさい何もいらない。
私の眼と感覚だけで十分というわけです。どこかに正診率80%くらいの霊能者はおられないかしら?正診率80%なら、PETと大して変わらないから、お金のかかるPETは必要ありませんよね。
さて、ある日の病棟です。抗がん剤治療を受けていた患者さんがおられました。抗がん剤による副作用で気分が悪いとのことで、
「何か吐き気止めを処方しなくちゃ」
と思っていた私が病室を訪れるとケロッとしています。
「あれ、吐き気がするって看護士から聞いていましたが。」
「はい。でも、 “先生(尊敬する霊能者らしい)”から、携帯電話を通して“気”を送って頂いたら吐き気は止まりました。」と。
「へぇ・・・」と私。
「“気”を送ってもらってからどのくらいで、吐き気は止まるのですか?」
「すぐですよ、5分から10分くらいで。」
「へぇ・・・」
「参考までに、教えて下さい。“気”を送ってもらうのにいくらかかるのですか?」
「特にお金は請求されません。お会いしたときに、気持ちだけお渡しするだけです。」とのこと。
予想以上に金銭がかかるようなことなら、私の処方する吐き気止めを服用するように言おうとしたのですが、そういうわけではなさそうです。それに、いかなる方法にしろ、吐き気が止まって患者さんはケロッとしているわけですから、それはそれで問題なしです。
個人的には、時として人知の及ばない不思議な世界の話でも、御利益があればOK、結果オーライです。霊能者の協力をがん治療に盛り込むことは患者さんの自由です。ただし、ウソかホントか、インチキ霊能者もいると聞きます。その見極めは個人の責任でしっかりやって下さい。なぜなら、そこは私には分からない世界ですから。
