抗がん剤治療を拒否して後悔しないために
近年はがんと診断されても、抗がん剤治療を拒否する方が増えてきております。抗がん剤治療には副作用もあり、精神的な負担も大きいため、抗がん剤治療を拒否することも選択肢の一つです。
一方で、後々抗がん剤治療を拒否したことを後悔しないためには、まず医師と十分な話し合いをし、治療のメリット・デメリットを理解する必要があります。
この記事では、抗がん剤治療を行うか行わないかを判断する上で、医師の立場から検討すべき点を挙げていきます。
がんの進行と余命
治療を行わないと、がん細胞は増え続け、健康な細胞や組織を侵害し、進行します。初期段階では症状がほとんど現れないこともありますが、進行すると症状が現れ、生命に影響を及ぼすリスクが高まります。
がんが進行すると、治療可能な状態が過ぎてしまう可能性があります。
抗がん剤治療の副作用と精神的な負担
抗がん剤治療には、脱毛、吐き気、食欲不振など、様々な副作用があります。
また、精神的な負担も大きく、不安や抑うつ状態になる方もいます。
抗がん剤治療を拒否することも、選択肢の一つとして考えられる場合がありますが、抗がん剤治療の中止基準としては、何らかの理由で治療を継続できなくなった場合や、患者の体調が悪化し、抗がん剤を投与できなくなった場合が多いです。
後悔しないための対策
医師との十分な話し合い
抗がん剤治療のメリット・デメリットを医師に詳しく説明してもらい、理解することが重要です。 治療の目的や効果、副作用、そして治療を拒否した場合のリスクについて、しっかり確認しましょう。
心のケア
抗がん剤治療を拒否することに抵抗がある場合は、専門家による心のケアを受けることも有効です。
精神的な不安や抑うつ状態を解消し、前向きに治療に取り組めるようにサポートを受けることも重要です。
家族や友人との協力
家族や友人には、自分の考えや気持ちを理解してもらい、サポートしてもらいましょう。一人で抱え込まず、周囲の人々に相談することも大切です。
他の治療法の検討
抗がん剤治療以外にも、手術や放射線治療、免疫療法など、様々な治療法があります。医師と相談し、自分に合った治療法を選択しましょう。
当院では少量抗がん剤治療を行っております
少量抗がん剤治療は、漢方薬の生薬の調合のように、異なる抗がん剤を少量ずつ組み合わせて投与して、がん治療に繋げていくものです。
標準抗がん剤治療よりも使用する抗がん剤の量が少ないため、治療に継続性があることや、副作用をほとんど認めないことが特徴です。
標準治療での抗がん剤治療の殆どは、がん細胞をより多く叩くことで延命に繋げることを目的としたものですが、少量抗がん剤治療は、がんが悪さをしない程度に抑えながら(=引き分け)がんとともに生活していくこと(共存)を目的としています。